昆虫採集といえば7−8月。
ホームセンターや100円均一でも、関連商品が目立つ所に置かれるようになりますね。
さて、6月にへめねけ氏がオオクワガタの♂極小個体を採っていましたが…
この虫は成虫寿命が長い分、実際の活動期間も他種より長く、
灯火であれば早ければ5月、最も遅い例で11月の採集例もあります。
もっとも5-6月、9月以降に関しては昼夜の寒暖差が激しいため、
よほど条件の良い日に当たらなければ採れないでしょう。
私も6月は日中は良くとも、夜はキンキンという最悪なコンディション…
そんな日に当たってばかりで、例の♂の報告を受けた際は驚愕したものです。
いつの間に…と。
さらには7月、へめねけ氏は沖縄へ出撃するという。
彼とは数々の伝説を築き上げてきましたが、
今の私には当時のようなド平日遠征など到底無理な話。
そこで世間の連休と丸被りなタイミングでどう立ち回るか、考えることにしました。
数年前、鳥に食われて無残な姿になったオオクワガタの♀を確認したり、
橋の街灯下で66mmの♂を拾ったりしたエリア。
そこは日数さえあれば難なく攻略可能な上、篭ってさえいれば混雑とは無縁です。
行きつけの美容室で頭を軽くし、機材と着替えを持ってそのままGO!
20時からライトトラップを開始し、気温22℃、ミヤマとノコギリの♀がチラホラ…
という状況で普通種の飛来も乏しい。
45分が経過した頃、まるでカブトムシのような力強い羽音が聞こえ、
私の車の助手席側のドアにバチンと当たると、そそくさと翅を畳む黒い甲虫の姿が。
自前のライトトラップでは初のオオクワガタ、それも♂…
中歯型の53mm。
以降、22時30分まで粘るも何の追加もなく、街灯回りをすることに。
♀の死骸を確認した場所は、他の採集者の姿が。
こうなったらこの一帯を回り尽くしてやる…
と、半ば開き直ってざっくりとルートを決め、車を走らせました。
しかしここでもLED化の波は着々とやってきており、めぼしい街灯はそうそうありません。
ある集落に差し掛かったとき、古めかしい自動販売機を見つけました。
周囲の山からの見通しは悪く、普通なら素通りするような立地なのですが、
1匹のクワガタの♀の姿が目に入りました。
サイズは小さく、最初はアカアシクワガタか何かだろうと思っていたのですが、
あやしがりて寄りてみるに、翅に縦筋ありけり。
その後、川の流れに沿って道を下っていき、明け方に差し掛かった頃。
1本の街灯の下で、ミヤマの♀のようなものがアスファルトの上を歩いているのを確認。
その個体の翅にも、縦向きに筋が入っていたのでした。
結局、この1晩で3匹のオオクワガタと遭遇。
確かに濃い場所ではあるのでしょう。
しかし、よくへめねけ氏と回るエリアと比べて夜でも暑い日が多いことと、
単純に遠く回数を重ねられないため、今回は相当ラッキーだったなと感じました。