2022 夏の陣総括

夏。
暑くて嫌いだという方もいらっしゃいますが、
私にとっては人生そのもので、6−9月のために生きているといっても過言ではありません。

毎年のことですが、今年も例に漏れず多大な時間を昆虫採集に費やしました。

三日月-新月など、
ライトトラップが活躍するタイミングではへめねけ氏と行動を共にしていることが多く、
その時の採集結果については、彼の記事をご覧あれ。

6月下旬、標高600−700mのポイントにて。
昨年から目星を付けていたブナ帯なのですが、
特記すべきは大型のコクワ、ヨコヤマヒゲナガカミキリくらい。
ヒガシキリギリス。
アスファルトに産卵管を突き立て、産卵行動をとる♀がよく目につきました。

会津方面では馴染み深い顔ぶれですね。
普通種ではありますが、特にその年の初物を見つけると心踊ります。

ガチャガチャガチャガチャくつわむし…
西日本-南西諸島でよく見られる、近縁種のタイワンクツワムシに比べ、
体は小さいものの、丸っこくどっしりしています。
このポイントでは殆どが画像の個体のようなくすんだ褐色で、緑色型は1ペアしか見られませんでした。

ヒガシキリギリスもいる所、いない所がはっきりしていますが、
クツワムシはさらに局所的で、鳴き声がするのは林縁、
河川敷のクズが茂っている場所に限られます。
藪に分け入らずとも簡単に姿を見ることができたこのポイントは、
大変価値のある副産物となりました。

毎週のように出撃し、体力、気力、タイヤ、毛根を擦り減らして繰り広げられた夏の陣。
本命であるオオクワガタにつきましては、
へめねけ氏の記事にある通り、死体が♂1♀1、
生きているものが3♀と、計5個体が確認できました。

♂の死体を発見した時は、ひっくり返った状態でも只者ならぬオーラを感じ、
拾い上げて「昨晩ここに来ていたら…」と思ったのは言うまでもありません。
喧嘩傷を負った新成虫で、ライバルに洞から追い出されて飛来し、
起き上がること叶わず、翌朝アスファルトの熱で焼かれてしまったのでしょう。
生きている状態で発見したうちの1♀は、彼が懐中電灯を仕舞った翌週、
私が単身、ラストチャンスと感じて退勤後そのままの姿で出撃し、
灯下にて拾った個体です。

オオクワガタ ♀38mm
隣のミヤマクワガタが霞む神々しさです。
拾い上げて数分後、ケースに仕舞い込んで撮影した1枚。
昔ながらの古めかしい照明が残っており、他に沢山のガムシ、ヤママユ、カブトムシの♀が見られました。
彼が採集したエリアとは近いようで結構離れています。

体表には小傷が多く見られ、右前脚の跗節も欠損しています。
今年活動を開始した個体ではなさそうです。
左大アゴの内歯だけが摩耗しているのは、野外で産卵をした際、
爪が残っていて踏ん張りの効く側で頑張ったからでしょうか。
加えて、この時期に採集された野外品を産卵セットに投入しても、
結果が芳しくないという報告も多く、今年の採卵は見送ります。

食欲はありますので、来春に備えてたっぷりと栄養をつけさせ、
冬眠してもらいましょう。

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